カルドセプト感想

とりあえずのストーリーはクリアしました

一先ず、カルドセプトのストーリーをクリアしました。
簡単に言うと、「初心者を脱した」ってことになりますね。
数十時間のプレイ時間を費やして、ようやく初心者から抜け出す、と言うところに奥深さがあるのでしょうか。
と言うことで、まずは、この辺りの話から。

長い一歩目を長く感じさせない工夫

数十時間もプレイして、ようやく一歩目を踏み出せるって言うのは、非常に面倒臭いです。
おそらく、かなり丁寧な工夫をしないと、一歩目を踏み出す前に飽きちゃうんですよね。

例えば、凄い長いチュートリアルを延々読まないと分からない、とか。
例えば、ひたすら反復練習を繰り返さないと勝てないとか。

説明を少なくすれば、「プレイヤーがゲームをしない時間」を削ることができる。
かといって、やればわかるよね、と突き放してしまうと、やっぱりついていけないわけで。

格闘ゲームなんかは、まさにこのジレンマに陥っていて、私はついていけなくなってしまいました。
ブレイブルーなんかは、チュートリアルをすごい頑張ってますけど、結局はそれって「練習」でしかないんですよね。
例えばチャレンジモードのコンボをCPUがしっかり使ってくるとか、こっちから決めることができるとか。
スタイリッシュモードでのコンボが、チャレンジモードのそれになっているとか、そういうつながりが無いので、
結果としてアレは「練習を強いられている」感じになっちゃう。
まぁ、別の話なのでこの辺で止めますけど、格闘ゲームは「苦手だけど好き」なので、なんか練習と感じさせない仕組みが欲しいなぁ、と勝手に思ってます。

で、カルドセプトの良いところは、「アドバイスカーソル」を使ったところですね。

アドバイスカーソルは、「説明はしないけど、良くわからなかったらとりあえずこうしたら?」と言う選択肢を提案してくれる仕組みです。
これにしたがっておけば、なんとなく勝てるんですね。
この「なんとなく勝てる」と言うのが重要で、勝てなかったらすっごいつまんないんだけど、言うこと聞いてたらなんか勝てるんですよね。
特に序盤は。
そして、そのうち、「なんでこれを選ぶのか?」が分かってくるようになってる。

さらにこのアドバイスカーソルの利点は、「結構頭が悪い」ことです。
シャーロックホームズにおける、ワトソンの役目なんですよ、これ。
別に、名探偵コナンにおける目暮警部でも良いですが。
プレイヤーよりも頭が悪いから、少し慣れてくると「いやいやそうじゃないでしょ?」って優越感に浸れるんですよね。

それが成長にそのまま綺麗につながるのですよ。すごい。
ボードゲームだからこそできる方法ですよね、これ。
正直、リアルタイム性が求められないゲーム全部にコレ入れて欲しいくらいです。

スゴロク+カードバトル

と、まぁ、システム的な話はこのくらいにして。
本題の、ゲーム的な部分について。

システムはまぁ、モノポリー+カードゲームです。

  1. 50枚一組の「デッキ」を作って、モノポリーみたいなループする盤面でスゴロクをします。
  2. 空き地に到着した場合、魔力(=お金)を消費して、手札から「モンスター」を召喚して、その土地を自分のものにできます。
  3. 他人の土地についてしまった場合は、「通行料」を支払うか、自分の手札のモンスターから戦いを挑むかの2択が可能です。
    1. 相手のモンスターを倒せば、通行料は払わなくてすみます。
    2. 相手のモンスターを倒して、さらに、自分が生き残れば、その土地は自分のものになります。
    3. 相手モンスターを倒せなければ、通行料は払わなければなりません。
  4. これをひたすら繰り替えして、目標魔力を達成後、スタート地点に戻ると勝利です。

カードには土地を守る「モンスター」と、戦闘時に使う「アイテム」、そして、ダイスを振る前に使える「スペル」の3種類があります。
例えば、防御力をアップさせるアイテムを使って、戦闘で「負けない」ようにしたり(自分の土地であれば、「負けなければ相手から通行料が奪える」ので、勝つ必要はない)、相手に「次の番は1マスしか使えないようにする」スペルを使ったりできます。
この辺が、ただのスゴロクとは違う、「戦略性」を出してるんですね。

駆け引きの面白さ

特徴的なのは、これ、他プレイヤーのカードが分かるんですよね。何を引いたかとか。
常に手札を照会できるわけではなくて、その人の手番の時にしか見れないんですが。
最初、「え、手札見えるとか何が面白いの? カードゲーム全否定?」って思っていました。

でもちょっとやってみると、これが、個人的には面白さのコアを形作っているような気がします。
すごろくなので、ダイスに運要素が絡むし、引くカードだってランダム。
自分の行動制御すら難しいのに、相手の行動を推測する手段が無ければ、ただのババ抜きと同じになっちゃうんですよね。
相手のダイスの目を制御するカードがあっても、使うに使えなくなっちゃうんですよ。
でも、「そういえば、あいつ今手札に強いモンスターいないな」とか、そういうのが分かると、途端に自分の行動の幅が広がってくる。相手の手札が見えるからこそ、「アイツに2進む効果を付けてオレの土地に止まらせよう」って考えることができる。

こういう、「相手の行動を制御する時の材料」として、非常に有効なんですよね、手札が分かるって。
ただ、常に手札を照会できるわけではないので、「どの絵柄のカードを持ってたらヤバいか」はある程度おぼえないといけないので、この辺はやっぱり「覚える」作業が介在してしまうのですが。

でもやっぱり、盤上はダイスに支配される

駆け引きは確かに面白いのですが、運の要素がちょっと大きい気がします。
と言うか、ダイスに命運を握られすぎます。

大体、8000〜10000Gくらい貯めてからスタート地点に戻ると勝ちなのですが、一番高額な土地だと、2000G前後奪えるんですね。
2000ですよ、2000。しかも、「奪う」んですよ。
差し引き4000も変動するわけですよ。

しかも、高額な土地ほど、防御力が高くなるので、その土地を守ってるモンスターを倒す手段が限られてしまうんです。
そうなると、手札が悪い状況で、「あ、ちょっと悪い目が出ちゃった」ってなると一気に脱落してしまう。
それが、CPU戦ではすごいストレスでした。
で、対人戦だと、おそらくその時点で心が折れそうな気がします。

自分も2000Gの土地を作って、そこに止まるのを待てば良いかもしれませんが、奪われたらその高額土地を売り払わないといけなくなるので、逆転が困難になっちゃうんですよね。
2000Gの土地二つ持ってたら、そもそもその時点で目標額たまってるからクリアだし。

と言うことで、「カードの引き」と「ダイスの目」の両方に命運を握られる上、ダイスの目は状況によっては逆転の芽すら摘んでしまうものなので、なかなかにストレスがたまります。

ただ、だからこそ自分の高額土地に相手が止まった瞬間の快感はすごいですし、さらに言うと、「出る目を操作するスペルカード」が自分や他人の運命すらも操作している気分になって楽しいわけです。

デッキを作る面白さ

まぁ、私はそもそもTCGが結構好きなのですが、デッキを作るのはやはり楽しいです。
「火」「水」「風」「地」の4属性と、無色の合計5属性のモンスターが使えるのですが、スゴロクの盤上にも同じように「属性」があるんですね。
で、「土地と同じ属性のモンスターを置いたときだけ」に、土地ボーナス(土地レベルに応じた防御力上昇補正)がもらえる。
(無色の場合は、一切防御力補正は得られませんが、代わりに、他の属性よりちょっと強いです)
もちろん、盤面は全部の属性の数がほぼ同じになるように作られています。
一応、自分の土地については、レベルアップ以外にも、「地形変化」と言って、土地の属性を変えることも可能なのですが、それにはそれなりにコストがかかるので、序盤はなかなか積極的に地形変化はできません。

と言うことは、色んな属性のカードを持ってるほうが有利! って考えてしまうのですが、そうでもなくて。
色んな属性に分散させると、欲しい時に欲しい属性のカードを引きにくいですし、強力なモンスターは、召喚条件に、「火属性の土地を一つ持ってること」なんて縛りがあったりします。
とすると、強いカードを使うためには属性を偏らせて、なおかつ、その偏った土地にいかに配置していくか? を考えなければなりません。

弱いカードをそこらじゅうにばら撒くことも重要ですが、弱いカードだけでは、すぐに奪われてしまいますし。
この辺の構成を考えるのが、とても楽しいです。
これまた、「強いカード詰め込めば良いんでしょ?」って思っていたので、うれしい誤算です。
まだまだカードは種類がそろっていないので、やりたいコンセプトのデッキは無いのですが。

ただ、1試合はすごい長い

このゲーム最大のネックは、1試合がすごい長いことです。
いや、ホントに長い。1時間くらいかかる。

ある程度盤面が埋まってくるまでは、「ひたすらモンスターを並べる時間」になるんですよね。
この準備が結構長い。
そして、準備が終わってからは、「土地をじっくりと育てる時間」になって、蟻地獄のようにその育てた土地に誘い込む時間になってきます。
で、3人とか4人での対戦になると、勝ってる人の土地を共倒れ覚悟で奪いに行ったりするので、もはや泥沼。

この辺は、逆転の楽しさとか、それでいながら戦略性とか、その辺を考慮していくと、どうしてもある程度長くなっちゃうのは仕方ないのかなぁ。

まとめ

ということで、カルドセプト。楽しいです。

  • 相手の手札を知ることができることによる、相手の次の手を読む楽しさ
  • 運の要素が多いが、勝っている時には「運すらも操作している」と錯覚させるように作られている巧みさ
  • 適度な逆転要素

この辺が好きな人はたまらなく楽しいです。私とか。

ただ、やっぱり、一試合が長いかなぁ。
だもんで、インターネットを介しての対人戦、まだ1回しかしてません。
「ちょっとカジュアルにプレイしたい」ってのには向かないですね。仕方ないのですが。

過去最大の長文になってしまったので、休日の間に書き上げることができませんでした……
何度か推敲するたびに文が伸びていったので、諦めてこの時点で投稿してみます。