消費税増税にまつわる開発云々
備忘録としてメモるのまき
消費税増税するわけですけど、どうも、ユーザーからは「5を8にするだけでしょ?」って感覚でいる気がして仕方ないので、色々調べてました。
セミナーとか何回か行ったんだけど、まぁ、「え、これを半年でやるの? 無理じゃね?」って思ってます。
その0:そもそも酷いプログラムがあるって話
前回の消費税増税(3->5)は1997年、流石にその時代から使っているプログラムは少ないので、「前回の対応をそのまま」という話にはならない。
でも、少なくとも自分が数年間見てきた中では、2001年とか2003年とかのプログラム程度ならそこら中にある、ということ。
これを機に作り直す、みたいなところもありそうだったけど、決まるのが遅すぎたので、これから半年で作り直すことはまず無さそう。
それよりも何よりも酷いのは、「直接1.05倍している」プログラムの衝撃的なまでの多さ。
これ大丈夫なの? ホントに回ってるの? って頭を抱えたくなるようなプログラムがゴロゴロしてる。
その1:返品の管理などの原則
原則として、「売上日基準」で消費税は決まる。
この辺はぶっちゃけ常識だからどうでも良いけれど、ちょっと前から話題になっているIFRSのせいで、これまでは「発送日に売上を立てる」仕組みから「着荷日に売上を立てる」仕組にシフトしている。
で、このやり方だと例えばコンビニなんかでも、「購入が1時間遅れるだけで税率が変わる」とか、通販だと「たまたま3/31に不在だった所為で税率が変わる」なんてことが起こるわけで、その期間の売上についての扱いがかなり恐ろしいことになる。
今年はまだIFRSは義務になっていないので、「発送日基準で売上を立てます」みたいな言い訳できそうだけど、次回の10%への引き上げがどうなるかが非常に恐ろしい。
特に通販業界とかどうなってるのか。
通販は法律の特例がある(他にも水道やら何やら特例は結構多いから要調査)ので、もしかしたらこの辺逃げ道あるかも。
もう一つ、返品周り。
返品時の税額と売上時の税額は必ず同額じゃないと意味がないので、返品時には「元の仕入/売上の転記日が何か?」が非常に重要。
いつ売ったかわかんないようなモノを返品とかする時にはどういうスタンスを取るか、とか、システム側ではその辺の良くわからない例外に心を砕く羽目になりそう。
ぶっちゃけ開発やってる場合じゃない。
その2:特例関係
とりあえずわかりやすいのは工事進行基準を用いる大規模開発やら何やら。
ああいうのは、進行基準と完工基準のどっちが良いか、ってのが重要になりそう。
-
- 2013年9月以前に契約されたものについては、完工基準が有利(2013年9月以前に契約されたものは、消費税率は5%が適用される)
- 2013年10月以降の契約については、「開発期間が2年以下であれば」進行基準が有利そう
二つ目のポイントの前提として、次回の勢消費税改正は2015年10月が有力だからなので、これが延期になるとまた別の話になりそう。
他にも電気代とかその辺の特例もありそうなので、当面は会計士に問い合わせして回る日々が続きそう。
ぶっちゃけ開発やってる場合じゃない。
その3:今後の展望
こんだけ面倒なことになると、「内税と外税併記」がそろそろなくなるんじゃないか、みたいな気がする。
消費者のことを考えれば併記がベストだけど、システムと言うか、逃げ道としては「内税表記」が流行ってきそう。
この話のポイントはこれだけじゃなくて、「どうせ次のステップは軽減税率になるんでしょ?」って言う部分にある。
例えば車やら何やらの税率がアホみたいに上がったり。そういうことになりそう。
ドーナツ5個までだと税率が高い、みたいな「欧州ではまれによくあること」が増えてくる前に、システム的にそれをどこまで対応できるかを調査しておくとベター。
次回の消費税増税は確定しているけれど、おそらくそれまでに低所得者層へのキャッシュバックはシステム化できそうにない。
そもそもマイナンバー制が未完成である以上、捕らぬ狸の皮算用をした上で三味線弾いているようなもんで、お話にならない。
今回のバタバタしている感じを見る限り、キャッシュバックキャンペーンを取るのか軽減税率を取るのか、どっちか決まるのはかなり土壇場になってからになりそう。
であれば、今のうちに調査しておかないと再来年の今頃にデスマーチが待っているのは不可避。
ぶっちゃけ開発やってる場合じゃない。