常に何かを妬んでる気がする

たまにぐったり疲れる

仕事をしていると、「自分はこのままやってていいのかなぁ」みたいな思いに駆られる事があります。
だいたい、そういう時は、同期とか上司とかに相談しようとみんなの仕事を眺めたりするんですけど。
こう、余計に劣等感に苛まれたりしてあれであれです。

隣の芝生はだいたい青い

例えば私の同期なんかはみんな会計関連のITコンサルタントだったりするので、もっぱら「あー今日もコーディング1000stepしか書いてないわー」とか「開発チームのメンバーが愚痴しか言わないからなんか最近カウンセラーになったみたいな気分だわー」くらいしか愚痴を言わない低次元な私に比べてですね、「あーマジでここの業務あかんわー、監査引っかかるから直さないといけないのに渋られるわー」とか「あー予算3000万円しか降りないわー、導入規模がでかいのにこれじゃあ開発できないわー」とか、そんなハイレベルな話を聞いていると、「なんだよこのやろう!」と思うわけです。
私レベルだったらせいぜい7人月くらいの見積の承認取るくらいだよこのやろう! 金額にして数百万程度だよこのやろう! しかもその予算もどうせ最初から決まってる枠の範囲内だよこのやろう! みたいな。
もう隣の芝生は今日も真っ青ですよ。
劣等感にさいなまれる日々です。

ところがまぁ、どうも、同期から見た私は何故か評価が高いらしく、彼らにとっても我が家の庭の芝は青いらしいです。
コンサルタントに高評価のSEってどう考えてもなんか違和感があって、どうせ「これは良く動く左手だ」みたいに思われてるんじゃないの、みたいにひねくれていじけているのですが。

この感じを無理やり言語化するならば、、「同じ時間の人生を生きてきたのに、自分はどんなに密度の低い人生を送ってきたんだ」っていう苛立ちなんですよね。
だから、私の同期にとって、「私の生きてきた道」っていうのは彼らの想定外の人生だったのでしょう。私にとって彼らの人生がそうであるように。
「もし、昔の自分が彼らと同じ選択をしたら、自分も同じようなことができたかもしれない、あるいは、もっと上手くてきたかもしれない」って言う、「自分が選ばなかった選択肢に対しての憧れ」もあるのかもしれませんけど。

自分の下の世代の芝生はなんか輝いてる

で、ちょっと前までは、下の世代の芝生も青く見えてたんですよね。
つまり、「自分もその域(後輩の見ている世界)に達することができるはず!」って言う、自分への期待を含んだ、後輩への妬みが少なからずあったんですよ。
なので、先輩が後輩に対して「お前には敵わないわ」って白旗を挙げることが理解できなかったし、先輩から褒められても単におだてて木に登らせようとしているだけだと思っていたんですね。

ところが、社会人になって数年経って、なんとなく、いや、かなり強く感じているのですが。
「自分はもう(新人当時の自分の読みよりもおどろくほど早く)成長速度が頭打ちになりつつあるなぁ」って感じのぼんやりした諦めがあるんですよね。
多分、今自分がやっている仕事を、本気で後輩に教えれば、ものの一年か二年で、今の自分の立ち位置まで後輩は上がってくるんだろうなぁ、とか、「そもそも最初から負けてるんじゃないかなぁ」って気付いてしまった感じ。
もしかしたら、私が教えなくても、三年くらい待てば、私よりも後輩の方が仕事ができるようになっているかもしれない、って言う、二年目とか三年目の天狗時代には考えもしなかったことも、最近では確信になりつつあります。

となると、妬みとか苛立ちとかそういうものを感じにくくなったと言うか、単純に眩しいんですよね。
「あ、この勢いがもう無いな」みたいな。
特に、自分と似た道をたどってきた後輩を見ると、その眩しさは尋常じゃなくてですね。
「あ、同じ道を辿ってきたはずなのに、この輝きはなんだろう」って感じて、まだ三十路なのに老兵の気分を味わってしまうんですよ。
仕事をしていると特に、「後輩と同じ方向を見て仕事をする」わけで、その視界の広さや視点の違いって言うのはやっぱり眩しいんですね。

じゃあ、自分の上の世代は?

ってことで、上の世代なんですけど。
これはもう、燃え盛ってるんですよね。

どこかのタイミングで、自分の上の世代は二つに別れるんですよ。
一つは「絶対追いつけない、逃げ切られる!」って人。
なんかちょっと自分のほうが仕事ができる部分がある気がするけど、定年になるまでこっちが頑張ってもなんか逃げ切られるなぁ、みたいな。
簡単に言うと「お前のほうがスタートが早かったから俺が負けてるんであって一緒にスタートしてたら俺が勝つもん!」って言う感じの妬みね。

もう一つは「もう追いついた、あるいは追いつける!」って人。
自分のスキル的には多分この人に勝ってるな、って人ですね。
もちろん、そうは言っても全然勝ててなかったりすることもあるんですけど、それは横においておいて。
そういう人が相手だと「なんだよお前のほうが年齢が上ってだけでなんでお前そんないい思いしてんだよ畜生!」って感じの妬みですかね。

ってことで、基本的に上の世代の芝生って燃え盛ってるんですよ。嫉妬の炎で。

他人と比較しても良いことってあんまりない

自分の同世代の人を眺めていると、「何故自分は彼らのような選択ができなかったのか?」を自問するし、後輩の仕事を見ていると、「今の自分に未来はあるのか?」って言う不安があるんですよね。
その答えを探して、自分の上の世代を見てみても、「既にゴールしている、どうやっても追いつけそうにない人」と「自分より下だと思っている、参考になりそうもない人」なんですよね。

つまり、「今の自分を肯定する材料」って、職場にいる人ではないんですよ。

この「将来への不安」って、自分の成長だったり学習だったりの原動力にもなるんですが、こんなかんじでこじらせてしまうと、全く動けなくなったりするんですよね。

ということで。

なんか周囲が眩しかったり妬ましかったり羨ましかったりしたらですね。「自分のやってきた仕事」を振り返るようにすると良いですよ。
それが、自分を肯定する唯一の材料なのかなぁ、と。