仕事ができそうだなぁ、って人の話

ちょっと気になったので

後輩に伝えたい話をあと二個くらい書こうと思っているのですが、なんか伝えたいことがありすぎて何回書きなおしてもモヤモヤしていたので、今日は違う記事を書くことにした。

多い気がする

「あ、この人、仕事できるんだろうな」って思う9つの瞬間って記事が話題になっていたので読んだのですけど、ぶっちゃけ2つくらいで良い気がする、という話。

いや、個別に分解するとこんなかんじなんだけど、ハタから見ていて「あぁ、この人は仕事ができるんだろうなぁ」って思う所って、もっとぼんやりしていて、だけど結構あからさまなものだと思います。
大体二つですね。二つ。

  1. その人の発言によって、場の空気を良くする人
  2. 質問された時に、質問者を見ながら話ができる人

ってことで、「仕事ができる」って「対人関係で持つ説得力」だと思うのですよ。
この二つはコミュニティの中で力を発揮するタイプなので、ちょっと「仕事が出来る」って意味が違うかなぁ、とも思ったのですが、元の記事と方向性は同じ気がします。

もちろん、これに当てはまらないような、「個人でもすごい仕事ができる!」って人も沢山います。
ただ、「個人で無茶苦茶仕事が出来る人」ってのは、もう上の二つの方法を取るまでもなく、見た瞬間オーラが違うじゃないですか。
私がオーラを感じることができないタイプの「仕事が出来る人」ってのは、そもそも私が求めるスキル以外を持っている人なので、参考にならないですし。
「あれ、見落としてたけどこの人すごいんじゃね?」ってタイプの仕事が出来る人って、上みたいな、関係性の上で成り立っているタイプが多いなぁと思うのです。

ということで、今日はこの二つの話。

1.場の空気を良くする人

とりあえず発言に対して、「なるほど」って空気を形成できる話し方ができない人っていうのは基本的には仕事ができない人なんだろうなぁ、と思います。
話を聞けば聞くほど、こっちの選択肢が「ごますり」か「全否定」か「妄想の世界でぷよぷよをする」くらいしかなくなってくる人って結構いるじゃないですか。
なんか同じようなことぐだぐだ言ってたり、現状を大幅にすっ飛ばして理想論ぶちまけて会議の全部を無為に帰す閉じ方をしてみたり。
そういう人って結構いて、そういう人と仕事をすると、モチベーションがものすごい勢いでゴリゴリ削られていきます。
そういう「周囲のモチベーションを吸収して働く人」っていうのは、どうしても一定以上の仕事が回ってこない人が多いですし、回ってきても「政治戦の道具」としてしか回せていないような感じのタイプね。

別に正論を言うなとか、周囲の機嫌を伺えとかそういうことが言いたいのではなくて、同じ発言でも「あぁ、この人が言うなら間違いないな」っていう空気を出せる人っていますよね。
大体の場合、そういう人は仕事ができます。と言うか、仕事が出来るとみんな知ってるから「この人が言うなら間違いないな」って空気を周囲が形成しているというか。

こういう【場の空気をコントロール出来る人】って、別に周囲を盛り上げるのが上手いとかそういうわけじゃないんですよ。
何か技術的な問題が出た時に、あの人に聞けば解決してくれるだとか、いつも無理難題を言ってるユーザーが、その人が出た時だけちょっと丸くなるとか。
そういう「信頼関係」を築いている人なんですね。
その信頼関係を感じるからこそ、「あ、この人仕事できるんだわ」ってのを感じるわけです。
で、信頼されていることを当人が自覚しているので、発言もどんどん丁寧になっていくんですよ。

信頼されていないって感じている人はどんどん発言が攻撃的になって早口になっちゃいますからね。
私とか。

2.質問された時に、質問者を見ながら話ができる人

ただまぁ、1.だけだと、基本的に「詐欺師っぽい」感じがするんですよね。

ってことでもう一つのポイントが、「話しかけられた時に、相手の方を向ける人」だなぁ、って感じです。
私なんかも結構反省するのですが、忙しい時に話しかけられると、ディスプレイから視線を動かせなかったりするわけです。
ただそれって、相手から有用な情報を引き出すという面に於いては最悪の方法なんですよね。
「視線」とか「身振り」って、かなり沢山の情報を持っています。
相手の方を見ない、っていうのは、その情報を仕入れずに作業しているってことなんですね。
あくまで経験上の話なのですが、そういう人のするアドバイスや、そういう人のする仕事って、どうにも「ユーザーが見えていない」仕事になりがちです。

この「相手を見る」っていうのも、「相手に信頼されたい」とか「相手をコントロールしたい」って意味じゃなくて、「言葉以外の情報も貪欲に求める」って意味の方ね。
言外の情報まで仕入れようとしている人の会話力と言うか、吸収力って半端ないんですよ。
なんかちょっと動いただけで「何? なんか問題起きた?」って気付くアンテナがあるんですよね。
それって、いつも質問者の行動を見たり、動きを見たりしているからできることなんですよ。
いや、すごいですよね、これ。

私もそれを見習って実践しようとして後輩が立った時に「何? 何か問題?」って聞いたら「いえ、トイレです」って言われましたからね。
もう私の観察力の無さたるや、ですよ。

身近な仕事が出来る人の話

ちょっと前に入った後輩がまさにこんな感じで、その人が口を開くと、一瞬で空気が引き締まるんですね。
「この人の話を聞こう」って思わせる話し方をするんです。
で、その人に何か話をしたり議論をしたりする時も、こちらの「言葉の外側の行動」まで観察しているようで、なんかたまに引くくらい的確な返事が来たり。

そういう人って、「単位時間辺りに得られる情報量」が私みたいな一般人比べてずば抜けて高いように見えます。
だから、何度か話をしただけで、「もうこの作業はこの人に任せて大丈夫かな」って思えてくるし、実際任せると本当に大丈夫なので、どんどんステップアップしていくんですよ。
多分あと半年もしないうちに、私なんかより断然出来る人になってる気がしますもん、あの子。5年くらい後輩なのに。

ううん、いつかこうなりたいなぁ、と後輩を見ながら思う日が来るとは思ってなかったです。